相談・依頼のきっかけ

依頼者は、30年ほど前に職場の定期健診と追加検査で、B型肝炎ウイルスに感染していることが判明しました。
そして、5年ほど前の検査で、B型肝硬変、肝細胞癌が判明し、肝がんと診断されて、手術を受けました。
その後、依頼者は、B型肝炎給付金のことを知り、自身も給付金を請求できるかもしれないと考え、当弁護士法人の事務所にご相談いただきました。

当弁護士法人の活動

依頼者の母親はすでにお亡くなりになっていたことから、当弁護士法人の弁護士は、まずは母子感染ではないこと(国の救済要件の1つ)を証明する資料を用意できるかが、給付金を請求する際のポイントになると判断しました。
そのため、依頼者に事情をご説明し、母親が生前に通院していた病院に血液検査結果が残っているかの確認をお願いしました。
そうしたところ、母親の血液検査結果が残っており、母親はHBs抗原・HBs抗体ともに陰性であることの血液検査結果のコピーを入手することができました。

また、満7歳までに予防接種等を受けていること(国の救済要件の1つ)を証明する資料としては、基本的に母子手帳あるいは予防接種台帳による証明が求められますが、依頼者の母子手帳は見つからず、自治体で予防接種台帳は保存されていませんでした。
もっとも、母子手帳等に代わる資料として、医師による接種痕の意見書、その他の適切な資料を収集しました。

そして、当弁護士法人の弁護士は、その他の国の救済要件を満たすための資料もそろったことで、給付金の請求が可能であると判断し、訴訟(裁判)を提起しました。

当弁護士法人が関与した結果

訴訟(裁判)の提起後も資料の追加提出を求められましたが、資料を追加提出した後、国から、救済要件を満たすことが資料により確認できたので和解に応じる、との連絡がありました。
そして、国が、依頼者に対して、肝がんを発症した方に支払われる給付金3600万円に、訴訟手当金(弁護士費用の一部)144万円を加えた、合計3744万円の支払義務を負うという内容で和解が成立しました。
その後、給付金の支給申請を行い、無事、合計3744万円を受領して解決となりました。

解決のポイント

B型肝炎給付金の請求は、厚生労働省作成のB型肝炎給付金請求訴訟の手引きに記載のある各救済要件の資料を漏れなく収集する必要がありますが、この資料収集には専門的知識が必要になりますし、非常に手間がかかります。
そして、全ての資料がそろったら、訴訟(裁判)を提起することとなりますが、ここでは、訴状を作成し、資料を証拠として整理する必要がありますので、専門知識がないと訴訟(裁判)の提起は困難であるといえます。
さらに、訴訟(裁判)の提起後も、追加で資料を求められることもあります。
以上のように、資料の収集、訴訟(裁判)の提起、訴訟(裁判)の対応は、ご本人で対応するのは非常に困難であるといえます。
そのため、B型肝炎給付金の請求は、専門知識のある弁護士に相談・依頼されることをお勧めいたします。